計測器の精度を保証しなければならない時の校正
様々な場面で使用されている計測器は、使用していく内にどうしても劣化したり変形したりします。そのため、計測の精度を維持するには、定期的に校正の作業を行わなければなりません。正しい精度の計測器を元に、誤差を調整するわけです。そして、その校正の作業は特に専門家でなくてもできるものもありますが、高い精度の保証を求められる場合は、それでは不十分です。そんな一般的な校正ではなく、専門家に依頼するのがjcss校正で、サービスとして事業にしている会社は数多くあります。
ISO規格に則っていることを国家標準機を使って証明
jcssは、校正サービスを行う事業者を登録する制度のことです。そして、長さや質量といった物理的な計測から、電気や光といった特殊なものまで、全部で25の区分に分かれています。jcss校正として認定されるためには、その区分ごとに登録する必要があります。そんなjcssの特徴として代表的なのは、国家標準へのトレーサビリティが保証される点です。日本には25の区分全てで、ISO規格に則った国家標準器というものが用意されています。jcss校正はその国家標準器を参考にして行い、一定の範囲内の誤差に収まっていると、結果的にISO規格と同様の精度が期待できるということになります。国家標準器との間に別の計測器を挟む場合でも同様で、問題のない誤差で、なおかつ元を辿ると国家標準器に至るのであれば、精度が認められます。それをトレーサビリティと呼び、あるのとないのとでは信頼度が大幅に変わります。
宅配で送ったりスタッフ派遣を依頼したりする手もある
jcss校正のサービスを受けるためにはまず、対象となる計測器の区分で対応できるかどうかを確認しなければなりません。25の区分全てを登録しているとは限らず、そもそも校正用の計測器を用意していない可能性もあるからです。そして、対応できるところが見つかったら、実際に契約を結んで校正の作業へと移りますが、サイズが小さい計測器であれば直接持ち込む以外に、宅配で送るという手もあります。また、計測器の中にはサイズが大きかったり重かったりするなどで、持ち運び自体が困難なものもあるでしょう。そういったものはスタッフの派遣を依頼して、現地で作業をしてもらうのが基本です。そうして、正しい校正の作業が終わったら、認定書を受け取って、一定の期間は計測器の精度が保証されることとなります。